築地市場

築地まるかじり (2004) (毎日ムック)
築地の魚河岸へ行った事ありますか?
是非一度5:30頃に場内に行き、まぐろや海老、蟹などの競りを観るのが面白く、お奨めです。


競りは意外にも一般人や観光客でも見せてもらえます。予約もお断りも要らないですが、現場は殺気立っていますので、邪魔にならないよう注意が必要です。日本人よりも外国人観光客の方が多く、朝早くからレンタルのゴム長を履いた外国人たちが、競りの独特な雰囲気を眺めたり、ビデオカメラを回したりしている姿を見ます。彼らは大抵、JTBとハトバスが共同運行する外国人向け観光ツアー「Sunrise Tours http://www.jtb.co.jp/sunrisetour/jindex.html 」の「江戸東京」あたりに参加しているか、個人旅行でガイドブックの記載を見ながら自力でやってくる人たちです。予め、ゴム長も貸してもらえるのを知っているので、ちゃんと履き替えてきます。


私たちが5:30に競りを見たのも、ちょうどシリコンバレーからエンジニアの友達夫婦がやってきたので、面白いトーキョーを見せてあげようということで企画しました。案外、膝元のトーキョーをこういう視点で見直してみると、楽しいスポットは周りに沢山あります。私は以前、日本に来る外国人を専門に取り扱う特殊な旅行業務(インバウンドと言います)をしていたので、こんなことをするのに変に慣れています。


全国から水揚げされた生のまぐろと、冷凍まぐろが大型トラックでガンガン築地市場へ向けて搬送されてくるのが夜中。このまぐろが並べられ、競りが開始される5:00頃までの間は、仲買業者さん達が品定めをする時間になります。この時間に見学に行ってもあまり派手さはないので、競り風景がお奨め。競りはさしずめ「魚河岸ラップ」とでも名づけたくなるほど、ラップ超でリズミカルに進められ、何を言っているのか、日本人でもなかなか聞き取れませんが、面白さは逆に外国人にも伝わります。


通し番号順に競りに落とされた商品は、台車で競り落とした仲買業者の手によって会場を後にし、彼らは場内・外にある個々の店での今日の販売準備をします。ここに買い付けに来るのは、お寿司屋さん、町の魚屋さんなど小売り業者、スーパーやデパート、一般客などです。

場内にも史上一番古い「吉野家」をはじめ、多くの名物飲食店があって楽しいですが、場外にも多くの小売店や、飲食店が立ち並びます。新鮮なネタを生かした寿司や丼ばかりでなく、ラーメン、オムライス、てんぷら、うなぎ、スパゲッティ、牛丼などB級グルメ独特の楽しさが満載です。また、夜はお酒とつまみを飲める美味しいカレーうどんの店もあります。


また私たちの場合、競りを見終わったあと、アメリカ人のエンジニア達と場内を冷やかして、お寿司屋さんの卵焼きや、お茶、トン汁や、お菓子、赤い鼻緒の草履などを買ったりした後、黒豆や、小魚、焼き鳥、豚の耳や、蛸を次々につまみ食いしては、気に入ったお店で立ち話したり、買い物を楽しんだりしていました。だって、築地では朝早起きした人に「食べてみて!食べてみて!」とどんどん掛け声をかけてくれるんです。私は、相手がどんな国の友達でも、敢えて色々食べさせたりローカルライフを経験させたりして、本人達だけでは決して経験できなそうなことをなるべく味わってもらおうと思っています。築地市場は、お店の人たちも江戸っ子の粋な心で会話をしてくれます。我がアメリカ人の友も、わかめ、お茶、草履、魚キーホルダーなど色々なものを手に、シリコンバレーへ帰って行きました。


ね、そろそろ行ってみたくなってきたでしょ?


http://www.tsukiji.or.jp/
http://www.tsukiji-market.or.jp/youkoso/welcome_1.html
http://metropolis.japantoday.com/tokyo/546/feature.asp
ガイアの夜明け」でも放送されました。