Discovery Channel ラレとラダン死を賭けた分離手術

頭部がつながった状態でイランに生まれた一卵性双生児ラレとラダンが、2003年に分離手術を受ける決意をし、手術を引き受けてくれた医師の住むシンガポールまで出向き、8ヶ月ほどの準備期間を経て、20数名の医師による国際プロジェクトを組んでの手術のドキュメンタリーを観た。2003年手術直前当時くらいのニュース記事で、弁護士をめざして勉強したり、放送局で仕事をしたりするなど、それぞれに才能のあるふたりが手術の危険性を知りながらも、分離手術に踏み込むのだと書かれていた。


生まれてから50数時間に及び、ほぼ成功間近と思われたところで出血が原因で手術が失敗に終わるまでを、彼女たちのお父さん、親友たち、シンガポールの医師などのインタビュー形式で伝えていたけれど危険を知りながらも、そうすることで希望をつなぎたかった彼女達の日々のつらさは、彼女達にしかわからなかっただろう。どんな人間だって一人になりたいし、わがままを言うし、常に誰かと四六時中顔をつき合わせていることなんか、想像を絶するというのに、顔だけでなくて、体もつき合わせていたのだから!その彼女達は死を賭けて成功率の低い手術を受け、ふたり別々のシングルベッドに眠り、別々の服を着て、別々の人生や結婚を夢見た。その夢が初めて叶ったのが、ふたり別々の棺と、お墓の中だったというのが強烈で、そして残念に思えた。と、同時にそれでもその選択を決意したふたりの勇気と、医師団の挑戦と、友人たちの深い愛情を受けた彼女たちの
人望の深さに敬服しました。