三越

そういえば昨日だったか大阪三越が閉店という記事を読み、そして熱くなった。
なんでも、315年余の歴史をもつ老舗百貨店として大阪の地でもいいお客さんに慕われていたようで、6時の閉店時には800名ほどの顧客から拍手がおこったという。
商人冥利に尽きる話だ。
当然それを上回る顧客離れがあり、赤字店舗のひとつとして撤退を余儀なくされたわけだが、記事を抜粋すると、『全営業が午後6時で終了し、客が見守る中で鈴木伸之店長は店舗入り口で「時代の移り変わりに抗しきれず、断腸の思いで幕を下ろします。一日も早く大阪の地で皆さまに再び会えるよう努力します」とあいさつ。周囲の客から拍手がわき起こる中、店員がガラス越しに店内で頭を一斉に下げ、シャッターが下りても、しばらく拍手は鳴りやまなかった。』そうだ。


以前、日本橋三越にお勤めされる知人と接した際、一流意識の高さ、誇りを感じた経験がある。
例えばホテルにも、外資新御三家などの人気ホテルがある。対して帝国、オータニ、オークラという御三家があるが老舗のもつ誇り、一流意識、そして長きに渡り指示し、厳しく叱ってくれる代々の顧客とその期待に応えようとする側の関係。それは一つの確実なる伝統美であると思う。三越にはかつて全く行かなかったが、最近は一つ百貨店を選ぶならば銀座三越にしている。確実に安心できる信頼感を得ている。少なからず今のところはだ。セレクションやサービスで他店に負けるのであれば、そこはもっと工夫してもらうしかない。(私はすべてのものを百貨店で求めないので、リテーラーと百貨店を使い分けているけれど)。百貨店も競争が厳しいので仕方ないのだから新興勢力ともどんどん凌ぎを削って欲しい。伊勢丹の従業員対応の高さや品揃えのよさはレベルが高い。そんな中、東京でも老舗が消えていかないよう、是非ともがんばってもらいたいものだと願う。