通訳

通訳学校でのクラスメートからメールをもらった。
そういえば色々な職業で様々な面白い特徴があるけれど、通訳の世界もとても独特。まず通訳の卵にせよ、プロにせよ、持っているものがある。それは、

  • 性能のいい電子辞書
  • 速記ノート
  • 書きやすいボールペン(数色必要)
  • ガムや飴
  • ヒアリング用ポータルデバイス
  • 英字新聞

こんなアイテムたち。


電子辞書はケチらないで定価5万くらいのグレードものが一番人気。速記ノートの理由は、通訳は聴いた内容をメモ取りするのだが、大抵メモの半分に縦線を引いて記号を駆使してザザザザッと殴り書きのようにメモしていく。全文書いている時間がないこともあり、要点を忘れないためにおまじないのように書いているものだ。書きやすいボールペンは、途中でインクが出なくなったり、寒さでおかしくなったりしないように数本、色で使い分けている。ガムや飴は通訳という声を使う職業ならではの工夫で、ウィスパリングや、スピーカーの近くで話す職業のプロとして口臭等にも配慮したもの。喉を酷使してしまう仕事柄、家での空気清浄などにも気を使っている人が多い。大きめの黒い革の鞄に英字新聞や資料を詰め込んで、耳に何かのヘッドホンを突っ込んでいる、ちょっと知的で素敵な感じの女性を地下鉄等で見かけたら、通訳さんかその卵たちである可能性は結構高いかも。
ミスター同時通訳の「私も英語が話せなかった」 (講談社プラスアルファ文庫)


この通訳という職業、身入り以上にインプットが必要な世界。今日は環境問題、明日はIT企業の決算発表。その翌日は企業M&A、またその次には基地関係のお仕事など本当に幅広いジャンルの顧客から依頼がやってくる。事前勉強がモノを言う世界。業界用語や、知識がないと当日のアドリブだけではどうにもカバーできないわけで、分厚い単語帳を作りながら当日に臨む彼女達。決して話が上手とは言えないスピーカーの話をまとめて通訳したり、的を得ない依頼者からの依頼にうまく応えないと次回の依頼がこないわけで。回転の速さも求められる。いやぁ敬服です。